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【野球肩】手術しかない!?投球フォームを全て変えてマウンドへ

本日の予約状況

肩の痛みで来院された男性(20代/会社員)の改善事例をご紹介します。

主訴(来院時の症状)

右肩の鋭い痛みと投球後の強い鈍痛により、全力投球が困難であり、投げられる球数も徐々に減少し、一部の変化球は恐怖感から投げられない状態だった。

来院に至るまでの経緯

2年前より右肩痛が出現し、半年前の画像評価にて右肩関節唇の高度損傷(SLAP/バンカート病変を含む傷害が疑われる)を指摘された。

医師からは手術により競技復帰を目指す選択肢も提示されていたが、本人は手術を受けて復帰を目指すパターンと保存療法でフォームと身体の使い方を変えていくパターンの両方を十分に理解した上で、現時点では保存療法を優先し、可能な限り手術を先送りしたいと希望した。

自覚的な主症状は、関節内の不安定感よりも、投球時〜投球後に出現する大円筋・小円筋など円筋群の筋性疼痛と強い張りであり、フォーム調整とテーピングにより痛みが許容範囲まで軽減すれば投球継続は可能であることが確認されていた。

リスクは理解した上で野球を続けたい、肩だけでなく全身の使い方から見直したいという希望から、当院の来院に至った。

検査と所見

初回検査結果は以下の通り。

  • 右肩:終末外旋位付近で大円筋・小円筋部に顕著な圧痛と筋性防御
  • 肩甲骨:コッキング〜アクセラレーション期における後傾・外旋のタイミング遅延と、上腕骨頭の前上方移動傾向
  • 体幹・骨盤:骨盤回旋と胸郭回旋のタイミング不一致、体幹前傾角度の不足
  • 全身:大腿後面・腰部・前腕の筋硬度が高く、投球運動連鎖全体のしなりを阻害している
  • 動作分析:その他動作不良個所複数

画像所見として関節唇高度損傷が存在する一方で、痛みの出現タイミングと動作分析を総合すると、4つの運動軸の連動不全が、円筋群への過負荷と関節唇への二次的ストレス増大に寄与していると考えられた。

したがって、手術の適応そのものは否定せず、将来的な選択肢として残しつつ、関節唇損傷を悪化させない投球メカニクスの獲得、円筋群・肩甲骨周囲筋・体幹を中心とした動的安定性の向上、下肢〜体幹から効率良くエネルギーを伝達する4軸投法への移行を保存療法の目標とした。

施術内容と経過

初回~4回目(週1ペース)

初期1か月は、筋性疼痛の軽減と、安全に投球を再開できる最低ラインの確保を目的とした。

大円筋・小円筋・広背筋への徒手療法と遠心性収縮トレーニングなど肩に直接的なアプローチをしつつも、フォーム全体を急激に変更することは避け、足部・骨盤帯・体幹といった下肢から整える方針とした。

6回目~10回目(2週1回ペース)

疼痛コントロールが安定し、投球後の張りも許容範囲となった段階で、本格的に肩の負荷軽減と球威向上が両立する4軸投法(当院の身体理論の投法)への再構築を進めた。

投球フォームを固めつつ、疼痛以外の指標を複数立てた。分かりやすい一例としては、各ステージで疼痛・疲労・可動域・筋力・主観的疲労部位を評価し、肩より先に下肢が疲れるかどうかなども4軸連動の指標とした。

11回目~(2週1回ペース)

4か月経過時点で、草野球の試合において実戦登板を行った。投手として2イニング(約30球)登板、昨シーズンと比較し、明らかに肩への負荷感が低下、投球後の鈍痛は大幅に軽減し、翌日の張りも許容範囲、昨年は恐怖感から投げられなかった変化球も一部以外はほぼ全球種投球が可能になった。

疲労の主訴は肩ではなく、太もも・股関節に先行、これらの所見から、肩単独での投球パターンから、下肢〜体幹〜肩甲帯を含めた4軸投法への移行が機能し始めていると判断した。

以下ご本人のメッセージ

通院開始当初は、この肩で本当に投げ続けられるのか、手術を先送りにしてよいのかという不安が強かったが、これまでと全く違う投球フォームを教わり目から鱗で早く試したくなった。

先日の試合では、昨シーズンと比べて明らかに肩への負荷が下がり、痛みもかなり抑えられていた。

最も印象的だったのは、肩より先に太ももや股関節が疲れてきたことで、全身で投げているという実感が持てるようになり、4軸を意識したフォームづくりを続けてきて良かったと心から思っている

今後も現在のフォームを洗練させながら、必要であれば医師とも相談しつつ、肩の強度と投球可能期間を少しずつ伸ばしていきたい。

院長からのコメント

院長:矢野

根本からフォームを変えようとする学習意欲が凄かったです!

手術以外でなんとかできることをしたい!という発言の通り、お伝えしたエクササイズとフォーム習得を熱心に取り組まれていましたね。

難しい状況でしたが実戦でかなりの変化を体感できたようでなによりです。病院の考え方を尊重しつつ、当院の今回の方針も取り入れていただければ、ご自身の状況を踏まえた上での疼痛のコントロールだけでなく運動能力がさらに高まると思います。

年齢や怪我に負けない身体の使い方を一緒に実践していきましょう!

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